アメリカに留学した時、当初全く英語を話すことができなかった僕は演劇学校に転向するまで結構長い期間向こうの語学学校に通っていた。(一般的に語学留学目的でアメリカにいく場合はあらかじめ現地の学校とやり取りして入学の手続きをした後、学校から学生ビザ取得に必要なi-20というパスをもらうのである。)
様々な国からきた生徒達が一つの部屋で、アメリカ人の先生から英語を学ぶんだけど、最初の頃は面白い発見が沢山ある。(島国日本の名古屋という場所で日本人の友達しかいなかった僕にとっては、1クラスに何カ国もの異なる国から来ている生徒が一緒に授業を受けているっていうシュチュエーションだけで充分オモロいんだが、、、。)
NYはクイーンズにあるラガーディアコミニティカレッジの英語クラスにて。
基本的に初級クラスの場合、まだまだそんなに英語が喋れない生徒も多いのだが、その中でもヨーロッパ系の国からきた生徒や南米系の生徒は、初級クラスでも既に割と簡単な会話ができるのに比べ、日本や韓国、その他アジアの国々から来た生徒は個人差も勿論あるが、会話力では彼らにかなわない事が多い。
しかしどうした事か、筆記テストとなると、日韓勢が俄然やる気をだして、上位を独占するのである。(自慢するつもりはないが、この僕ですら、初級クラスの筆記テストでクラスただ1人の100点満点なんかを叩き出した事もあるのだ!!後にも先にも人生でこの1回だけでした、、。ゴメン。思いっきり自慢です。♪(´ε` )
シカゴの語学学校INTRAXにて。
韓国人や日本人の、クラスではあまり積極的に発言したりしない、大人しそうなが生徒の方が文法などの理解力が重要視されるテストでは高得点を取り、そしてヨーロッパ系や南米系の、結構英語が喋れて、女癖も悪そうなおしゃべりでお調子者タイプの奴が何故かこういうテストができなかったりする、、という例をいくつもみてきた。
この事は日本や韓国などとヨーロッパ、南米系との英語環境の違いを如実に表している。英会話という事だけに焦点を絞れば、ヨーロッパ、南米勢に圧倒的にアドバンテージがある事は間違いない。なんと言っても彼らの多くは自分達の母国語においてABCのアルファベットを使用し、英語とスペイン語などは文法などのルールも似ていたり、単語も似通った言葉が多数存在する。日本の場合、せっかく学校で文法などを徹底的にやるのに、その成果を発揮する場所が全くと言って良いほどないのはとても痛い! 痛すぎる!!(>_<)
しかもタチの悪い事に、こんだけ街角や、流行歌、物の名称など至るところに英語の文字が溢れているのにもかかわらず、我々日本人の中にある様な気がする英会話コンプレックスみたいなものは一体全体何なんだろう?!
例えばルー大柴というタレントがいる。彼の芸風は高いテンションと、彼の外人風の喋り方、そして日本語トークの中にガンガン入れてくる英語であるのだが、僕は彼は普通にとても面白く、チャーミングな魅力を持ったタレントさんだとは思うが、ふと、
「そう言えば、、何故僕ら日本人はルー大柴をおもしろいと思うんだろう。。」と真剣に考えてみると、彼のワザとらしいくらいに発音の良い英語とそのテンションがもたらす、空気読めない感、そしてどうしようもないウザさ、だけど憎めないあの風貌と言った所に、嫉妬、羨望、嘲笑、引け目、殺意、好意、、、etc といったモノが渾沌とごちゃ混ぜになり、引き起こされる笑いだと分析している。
(全く持って意味がわかんないんだけど、、。自分で書いておいて。)
日本に帰国した帰国子女などの世界では、完全なる日本人のCommunityで生きるうえで、タブーとされている行動がいくつかあるようだ。彼等が思わずポロっと、日本人と日本語で会話している時に外人っぽいジェスチャーや、日本語英語(例えばスーパーマーケット、マクドナルド)などを本場英語の発音で言ってしまったが最後、その人は「外人ブってる」とか「気取ってる」といったレッテルを貼られると聞いた事がある。
まあまあ、分からない話しでもない。普通にメガネ掛けた、大人しそうなサザエさんでいえば花澤さんみたいな人が、例えば何かの答えが分からなかった時などに、両手のひらを空に向け、肩をすくめていわゆる「WHY」みたいなジェスチャーをしたら、大概の日本人はギョッとするんじゃないだろうか?
でも日本人が対等に欧米人と英語でやりあいたいと思うならば、こういった発想は真っ先に取り去らなければいけない事なのである。大人になってからだと語学の習得が幼少期に比べて中々難しい、とはよく聞く話だが、これなどは勉強の能力もさる事ながら、脳みその柔らかさも大いに関係していると思う。結局のところ英語やその他外国語を本気で喋れるようになりたいのならば、一回日本人という事を忘れて英語を喋る外人になる事が一番の近道だと僕は思う。
日本人のラッパーとか、物の見方によっては、「服装から喋り方から何でもかんでも真似して。日本人の誇り忘れたのか」
という声もあるかもしれないが、こと英語習得だけに関して言えば、ああやって形から入っていくのは非常に効果的だと思う。ほとんどの場合において何か物事を習得するには、全てもとある形の模倣、マネをするのが基本であるからして、誰になにを言われようが、日本語と英語は全く地球が3周するくらい違う言語だ、という事を認識した上で、自分の母国語に対する愛情を持ちつつも、一旦リセットボタンを押し、外人になる事が必要だ!!
しかし日本国内ではこれも中々難しいんだよなあ~
時は流れ、今は日本で英語を教える側に。
武内 剛
You must log in to post a comment.