ここで話す家ママとは、100%育児家事のいわゆる専業主婦ママ達のことです。家+外ママとは、ママ+外での仕事をしているママ達のことです。

チリでの生活も早くも3年、以前よりは地元のママ友や学校のママ達とのつながりができました。仲の良いママ友達の中には、育児関係のサポートを仕事としている人達もいます。日頃軽い付き合いのある知り合いとは多少育児についての価値観が異なっていてもやり過ごせるのですが、相談し合える気の置ける友達はお互いの優先順位や価値観の相性が大事になるので自然と父母主体の子育てに興味のある母親達が多くなります。
日本だと父母主体の子育てなんて当たり前じゃないかと思われるかもしれませんが、チリでは共働きの場合、ナナと呼ばれるお手伝いさんに家事・育児のことを任せるケースも珍しくないので、特に一個上の世代の人からすると父母主体の子育ては変わっていると思われたりもするのです。
現在のナナの給料の相場は1日8時間労働で24万ペソ(約5万円)くらいです。決して物価が安いとは言えないチリ社会の若い世代では最近ナナを雇う余裕のない家族が多くなってきているので、共働きでもナナなしで夫婦または女性主体で家事をきりもりしている家族も増えてきました。

話がそれてしまいましたが、育児関連の仕事をしているママ友達との会話で頻繁にテーマになるのが、私のように100%家にいるママ達と外で仕事をしているママ達との対立についてです。
例えば、
「母親業はお給料もないのに24時間仕事体制なのでもっと尊重されるべきだ!」
という投稿があると。
「それならば、外で仕事をして家に帰れば家族の世話をしなければならない母親はどうなの?ナナを雇っているから育児の手を抜いているという先入観を持たれている母親はどうなの?母だけど、一人の人間なんだから自分主体に考えて生活をしても悪くないでしょう!?」
「そんなことを言うなら父親・母親両方の役割をはたしているシングルマザーこそもっと尊重されなければなんじゃないの?」
と、それぞれ自分の置かれている立場から各々の言い分をぶつけてくるので、どの立場に関する投稿をするにしても、その後のサポートをするのが大変だというのです。
そうならないためにはどうしたらいいのか考えてみました。
どちらの主張も一理あって、間違っているわけではありません。
そもそも私たちが住む社会が、女性に母親業と社会進出の両方を、またはどちらかを選択するような仕組みになっている事、そこに住む人々の意識もそうなっているから母親になった女性がどちらかを選択しても100%良いと自信を持てないんだと思います。
男性が100%仕事に没頭している場合、家事・育児をしてない悪い父親と言われるケースと、女性が100%仕事に没頭している場合、家事・育児を怠っている母親だと言われるケースでは、明らかに後者の方が多いです。
家事・育児を手伝う父親は育メンとチヤホヤされるなんておかしな話だと思います。
ですが、これが私たちが住む社会です。少しづつ変わりつつありますがまだまだ女性が家と子育てを担うのが当たり前という考えは根強いです。
そのように女性にとっては息苦しい面もある社会の中で、同じ母親という人生のステージを歩んでいる人達がお互いの痛いところをつつきあってるよりも支え合う方が居心地が良く、心強い仲間ができる。その方が育児も楽しくなると思います。
お互い何かを優先して何かを犠牲にして今の立場にいることに変わりはありません。それがキャリアやお金・家族の時間、自由な時間だったりしても良かれと思って選択した、又はそうせざるを得なかったとしても、誰にも後ろめたさを感じることはないのです。
自分が有る今を肯定し相手が優先したものを尊重する。そして自分の優先したものと比べなければ、お互い対立することで生じるプラスのものは無いことに気づけると思います。
どうやって母親業を行っているのか、それぞれ立ち位置は違っても育児というステージに置いて未来につながる人間を育てている共通点は同じです。
これからも母親同士のTribu (部族)の関わりを大切にしながら育児と育自を心がけていこうと思います。

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Paraguaya-Japonesa radicada en Chile, madre de tres niños, en crianza multicultural.